腰痛の原因は〇〇だった！

少し前の話になりますが、腰痛にはこんなケースもあったのでご紹介します。

 

ある日、当院患者様より電話を頂き「うちのおばあちゃんが腰が痛くて起き上がれない」と。

時間を調整し訪問しました。

ご家族の話では、痛みの為布団から出れずご飯も食べれないと。

昨日までなんともなかったらしい。

まずは原因を探る為に問診といくつかの整形外科的テストを試みる。

すると５分もしないうちにおばあちゃんが「あぁ楽になった、ありがとうございます！」と起き上がるのである。

私はまだ何もしてませんが、と話すと「もうすっかりイイです！」と。

本人が大丈夫と言うので、本人と家族には状況を説明し治療？を終えた。

帰り道私は「ひょっとしてとんでもないゴッドハンドになったのか？」と薄笑いしながら

「そんなことはない、こりゃただの腰痛ではなさそうだ」など色々考えていました。

 

翌日

案の定、電話を頂き「また起き上がれないんです」と。

また訪問し検査を始めると前日と同じで「あぁ楽になった」と起き上がる。

コレは・・・TMS？と疑ってみる。

TMSとはTension Myositis Syndrom(緊張性筋炎症候群）のことである。

大雑把に説明するとストレスや怒りなどの不快な感情から目を背けるために

無意識下で体に痛みを発生させ、そちらに意識を向ける・・・といったとこでしょうか。

 

そこで予め用意しておいたTMSチェック表をみてもらう。

するとおばあちゃんはすべての解答が「はい」

TMS濃厚である。

おばあちゃんと二人にしてもらいTMSについて軽く説明をする。

するとおばあちゃんは突然涙を流し始めた。

週二回デイサービスを利用しているがそれが自分に合わず苦痛で仕方ないと。

しかし同居の家族の為に何も言わず我慢し続けているらしい。

 

帰り際にご家族にも簡単に説明し

おばあちゃんとゆっくりお話してみてくださいと言って家を出た。

 

 

１週間後、お孫さんから電話があり

「おばあちゃんのデイサービス辞めました！すっかり元気になって毎日散歩に行ってます！」と。

ご家族はおばちゃんを思い、おばあちゃんは家族を思い、それがうまくかみ合わず辛い思いをしてしまったのである。

 

ストレスが主な原因となって、自律神経を乱し様々な症状を引き起こす場合もある。

自律神経と聞くと不定愁訴や精神不安定などイメージしますが、限局的な痛みを発症することもある。

 

身体のケアだけでは本当の健康は手に入れられないのかも知れない。

健康な心を併せ持つことも大切だと感じた。